遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
特集
がんゲノム医療における薬剤提供のジレンマ
角南 久仁子
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 21 巻 4 号 p. 101-104

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抄録

 がんゲノムプロファイリング(CGP)検査が保険適用されてから2年半以上が経過した。がん診療においてCGP検査結果に基づいた治療選択が浸透しつつあるが、わが国におけるCGP検査の実施はがんゲノム医療指定医療機関(2022年2月現在、全国230施設)の実施に限られているほか、対象症例も標準治療がないもしくは終了(見込み)の症例に絞られている。また、全症例においてエキスパートパネルにおける推奨治療および遺伝カウンセリングの要否の検討が保険要件として求められている。CGP検査後の遺伝子異常に合致した治療到達割合は、2020年度の厚生労働省の実績調査で8.1%と報告されており、薬剤到達割合の向上が大きな課題とされている。課題解決に向けた取り組みの一つとして、全国12のがんゲノム医療中核拠点病院が参加する多施設共同試験「遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養」が実施中である。

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© 2022 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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