日本集中治療医学会雑誌
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原著
Endotoxin activity assayの急性腎傷害および持続的腎代替療法における評価
松原 全宏井口 竜太比留間 孝広中村 謙介中島 勧片桐 大輔土井 研人野入 英世
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2013 年 20 巻 2 号 p. 235-242

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抄録

【目的】Endotoxin activity assay(EAA)は,患者好中球・補体系を用いた測定系である。急性腎傷害(acute kidney injury, AKI)および持続的腎代替療法(continuous renal replacement therapy, CRRT)は好中球を活性化する可能性があり,EAAを用いた敗血症診断が,AKIおよびCRRTにより影響されうるかを検証した。【方法】CRRTを必要としたAKI症例を対象とし,CRRT開始前,開始24時間後および48時間後にendotoxin activity(EA)値を測定,敗血症合併との関連を前向きに検討した。【結果】CRRT開始前EA値は,敗血症群において上昇,非敗血症群では低値であった。CRRT施行によるEA値の有意な上昇は認めなかった。【結論】AKIあるいはCRRT施行によって生じうる好中球活性化がEA値に影響することはなく,EAAはAKIおよびCRRT症例においても,敗血症診断に利用できる。

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© 2013 日本集中治療医学会
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