日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
劇症型偽膜性腸炎による心肺停止を救命した一例
藤塚 健次中野 実大塚 修高橋 栄治中村 光伸宮崎 大小倉 崇以原澤 朋史
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2015 年 22 巻 2 号 p. 117-121

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抄録
症例は64歳,女性。2週間前に感冒の診断で近医から抗菌薬を処方され,5日前にも再度抗菌薬を投与された。しかし全身状態不良であり,当院紹介となった。搬送時ショックバイタルであり,early goal-directed therapyを施行,ステロイド投与したが一時心肺停止となった。原因精査にてClostridium difficileトキシン陽性,大腸内視鏡検査で偽膜形成を認めたことから,劇症型偽膜性腸炎,敗血症性ショックと診断した。全身状態から手術療法は困難と判断し,バンコマイシンを投与して保存的に加療した。Polymyxin B immobilized fiber column direct hemoperfusion(PMX-DHP)を開始することで,カテコラミンが減量でき,第3病日には中止となった。その後全身状態は安定し,第16病日にICU退室,第86病日に退院となった。劇症型偽膜性腸炎は,致死率が高く,外科的治療を施行しても救命できない症例が多い。今回我々は,PMX-DHPを併用し循環管理を行うことで,保存的に加療でき,救命することができた。
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© 2015 日本集中治療医学会
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