情報知識学会誌
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損失と協力行動に関する一考察: 成果報酬条件におけるカタストロフゲームによる実験的アプローチ
後藤 晶
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2014 年 24 巻 2 号 p. 164-171

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抄録
 東日本大震災に見られるように,人間は常にいつ生じるかわからない変動に直面しながら生きて いる.本稿においては突然起こる外生的な変動を「カタストロフ」と定義する.その上で,特に時期についてあいまい性を有するカタストロフの「予告」及び「発生」が協力行動に与える影響について解明を試みる.そのために繰り返し公共財ゲームをベースとした新たなゲームである「カタストロフゲーム」を用いて実験的な検証を行った.その結果,①カタストロフの予告による協力行動の促進は認められなかった.また,予告されたカタストロフの発生によって,②全てのプレイヤーにカタストロフが発生する条件における協力行動の促進,一部のプレイヤーにカタストロフが発生する条件において③カタストロフ発生群および④カタストロフ非発生群における協力行動の促進が認められた.
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