著者らは、「日本SPIコンソーシアム(以降JASPIC)」の中で、プロセス改善に関する知識の体系化に取り組んでいる. 当該ドメインにおける有用性の高い知識を蓄積し, 利用しやすい仕組みを提供するとともに, 新たな知識の創出を促すことが狙いである. これまでのJASPIC主催の「SPI Japanカンファレンス」における発表内容を知識として整理・集約する試みの中で, 知識の形式化の面, 特に網羅性に問題があることが分かった. そこで, 当該ドメインにおける知識の表現形式として7つの情報要素から構成される知識モデルを考案し, これを元に発表概要テンプレートとして標準化した. 結果として, 知識の網羅性の分布に有意な変化が見られ, 原因分析・効果の検証・妥当性の確認に関する記述量の増加が見られた. また, 知識の質の向上の観点からは, 発表に理解が容易になったという良好なコメントが査読員やカンファレンス参加者から得られた.
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