2024 年 34 巻 4 号 p. 353-356
オープンサイエンスによる世界的な知の共有を目指した研究成果のオープン化の潮流が進んでいる.特に,公的研究資金を受給する研究者には,国際的な貢献と国益の双方を見据えた,オープン・アンド・クローズ戦略に基づく研究データの管理・利活用が求められている.公的資金におけるデータマネージメントプランの作成や実施,論文及び根拠データの即時オープンアクセスなど,研究データを含む研究成果に対する研究者の責務は増加の傾向にある.研究者の負担軽減のためにも,研究の実践の場で利用できる研究データの管理,解析,共有,公開を支援する仕組みが必要である.本発表では,医学・数理連携研究で用いられる実験データや臨床データ,それらをもとに数理解析を行った数理解析データを共有,解析,公開するための包括的未病データベース構築プロジェクトを事例として,研究データの管理,共有,解析,公開におけるメタデータ処理に関する課題を整理,議論する.