情報知識学会誌
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34 巻, 4 号
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  • 2024 年34 巻4 号 p. 321-322
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー
  • 中野 恵一
    2024 年34 巻4 号 p. 323-326
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     本講演では,国立情報学研究所(NII)が中心となり進めている「研究データエコシステム構築事業」について,その概要と進捗を紹介する.本事業は,NIIが構築した研究データ基盤「NII Research Data Cloud(NII RDC)」を中心に,データガバナンス,データプロビナンス,秘匿解析,キュレーションなどの機能開発を進め,研究データの適切な管理と利活用を促進するものである.また,AIや機械学習を活用したデータ駆動型研究の発展や,データリテラシーの向上を目指す人材育成にも取り組んでいる.

     さらに,本事業では地域の研究機関を対象とした「研究データスタートアップ支援事業」を通じて,全国的な研究データエコシステムの普及を図っている.本フォーラムでは特に,災害時における地域資料のデジタル化や文化遺産の保存といった社会的課題に注目し,データの迅速な共有とアクセスが地域復興に果たす役割を通して,持続可能な研究データエコシステムの全国展開の意義を強調する.

  • 加納 靖之
    2024 年34 巻4 号 p. 327-331
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     歴史地震研究の成果としての地震史料集や歴史地震のカタログ(年表)がデジタル化されつつある.既にいくつかの研究プロジェクトによってデジタル化が試みられ,また実用的なデータベースとして整備され,一部はオープンデータとして公開されてきた.歴史地震に関する既存のデジタル資源の大部分は地震学,歴史学,情報学の協働によって実現したものである.これまで整備されてきたデータベースを概観するとともに,今後新たに構築すべきデータベースや,取り入れるべき技術について紹介したい.

  • 堀井 洋
    2024 年34 巻4 号 p. 332-335
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     日本国内には,多種多様な地域資料が現存し,それらは貴重な文化資源である.それら地域資料に関する情報を記録した地域資料データの中長期的な収集・保存・公開については,持続的な継承の核となる地域横断型データ共有基盤が未整備である.報告者らは,山形および奥会津地域を中心に,地域が連携して地域資料データを後世に継承するための仕組みの実現に取り組んできた.本報告では,構想の概要について述べる.

  • 山下 俊介, 高田 良宏, 堀井 洋, 川邊 咲子, 橋本 雄太, 中村 圭佑, 卓 彦伶, 林 正治, 山地 一禎
    2024 年34 巻4 号 p. 336-340
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     各地で消滅しつつある未活用の地域文化資源に価値を見出し,資源として継承するためには資源を利用可能な研究データにする情報化が必要である.著者らは,地域文化資源を抱える当地の住民や学芸員・資料管理者に加え,リモートサイトに存在する専門家・研究者や関心のある市民らとともにコミュニティを形成し,未活用地域文化資源から研究データや新しい価値を共創する汎用プラットフォームを開発・運用することで課題を解決することを構想した.本稿では,開発するプラットフォームと事業構想の概要について述べる.

  • 堀井 美里
    2024 年34 巻4 号 p. 341-344
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     本講演では,2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震で被害を受けた地域資料の救出活動と,震災前に合同会社AMANE,石川県輪島市,国立歴史民俗博物館が行っていた歴史資料調査との関わりについて報告する.特に,概要調査という方法で収集・記録した地域資料情報が被災資料レスキューにどのように活用されたのかについて述べる.

  • 佐藤 琴, 小幡 圭祐, 堀井 洋, 堀井 美里, 小川 歩美, 佐々木 紫帆, 榎本 千賀子, 櫻澤 孝佑, 卓 彦伶, 高田 良宏, 大 ...
    2024 年34 巻4 号 p. 345-348
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     我々は,2023年度国立情報学研究所「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」のユースケース募集に応募し,採択を受け,「地域資料データの継承とオープン化を目指した地域横断型データ共有基盤の構築」を実施中である.本事業は2つの取り組みからなり,1つは地域や組織をこえた地域資料データの共有ストレージの構築.もう1つは今後のさらなる利活用に向けた高精細画像や3Dデータ等の作成と,地域資料データのオープン化にかかる慣習や関連法令に関する論点整理である.本稿はこの2点に加えて地域と組織を越えた連携のための共同体の構築の構想について述べる.

  • 朝岡 誠, 林 正治, 有田 正規, 藤澤 貴智, 片山 俊明, 丹生 智也, 山地 一禎
    2024 年34 巻4 号 p. 349-352
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     研究データ公開は,今日の研究活動を行うにあたり不可欠となりつつある.研究データ公開が論文投稿の条件,国際条約などの法的な側面から義務となっている分野もあり,研究データを公開し,利活用を促進する分野リポジトリの構築は喫緊の課題である.近年,いくつかの研究センターが研究データ公開を積極的に進めているが,同じ分野であってもデータが相互にリンクされておらず,利活用が難しい状況である.この問題を解決するためには,分連携検索用ポータルサイト,データカタログが必要である.本ポスター発表では,国立情報学研究所が開発しているWEKO3を使ったデータカタログ構築を事例として,外部のリポジトリと連携する際の課題を整理し,ResourceSyncを実装した経緯について報告する.

  • 林 正治, 込山 悠介, 藤原 一毅, 朝岡 誠, 南山 泰之, 池谷 瑠絵, 安田 裕之, 等々力 賢, 藤居 文行, 木本 早苗, 藤原 ...
    2024 年34 巻4 号 p. 353-356
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     オープンサイエンスによる世界的な知の共有を目指した研究成果のオープン化の潮流が進んでいる.特に,公的研究資金を受給する研究者には,国際的な貢献と国益の双方を見据えた,オープン・アンド・クローズ戦略に基づく研究データの管理・利活用が求められている.公的資金におけるデータマネージメントプランの作成や実施,論文及び根拠データの即時オープンアクセスなど,研究データを含む研究成果に対する研究者の責務は増加の傾向にある.研究者の負担軽減のためにも,研究の実践の場で利用できる研究データの管理,解析,共有,公開を支援する仕組みが必要である.本発表では,医学・数理連携研究で用いられる実験データや臨床データ,それらをもとに数理解析を行った数理解析データを共有,解析,公開するための包括的未病データベース構築プロジェクトを事例として,研究データの管理,共有,解析,公開におけるメタデータ処理に関する課題を整理,議論する.

  • 堀本 隆誠, 岡田 真, 森 直樹
    2024 年34 巻4 号 p. 357-360
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     近年の人工知能技術の急速な発展の中で, 人間の知識をグラフ構造で表現するナレッジグラフが注目されており,異なるデータソースからの情報の統合やそれらの間の関係性を明確にするために有効である. 本研究では, 地域資料の保存・継承における災害データの管理手法として, ナレッジグラフを用いた手法を提案する. ナレッジグラフを用いることで, 過去の種々の災害の記録における事象のデータとそれらの相互関係を統一して記述可能であり, これにより複数の情報の統合と再利用性の向上による知識の継承を容易にすると予想される. さらに, 個々の災害データの相互関連性の可視化により, 将来的な災害リスク評価や災害対応の改善にも寄与することが期待される. 本稿においては, 実際のデータに対してナレッジグラフを構築し, 考察することでその可能性を図る.

  • 長塚 隆
    2024 年34 巻4 号 p. 361-364
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

    国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)では2002年から公的機関のホームページ(HP)等の選択的収集を開始し,2010年からは国立国会図書館法を改正し国の機関,独立行政法人,国立大学法人,特殊法人等および,地方公共団体,地方公社等自治体HPを定期的に収集し、ネット公開している.しかし,県や市区町村などの地方自治体で,WARPが収集した過去のHPをネット公開していない自治体が多いことを報告した.本研究では,地方自治体の他に、WARPが過去のHPを収集している国の機関,独立行政法人,国立大学法人,特殊法人等での過去のHPのネット公開についての調査結果を報告し、すべての公的機関の過去のHPのネット公開に向けた方策を検討する.

  • 保田 洋, 宇佐美 美紀子
    2024 年34 巻4 号 p. 365-368
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     ほとんどの大学で初級レベルの数理・データサイエンスを学ぶことが求められている中,小規模の文系大学においても海外からの留学生が増えている.言語の壁,前提知識の不足,教育カリキュラムの違いなどの問題がある中で,テキストや講義内容を工夫し留学生に対しても日本人と同様にデータサイエンス教育を行い,履修者の知識の習得状況の把握を行った.その結果,留学生においても日本人と変わりない知識の理解を得ていることが示された.

  • 古川 雅子, 長岡 千香子, 神崎 隼人, 甲斐 尚人
    2024 年34 巻4 号 p. 369-372
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     本稿では,研究データ管理に関する人材育成を推進することを目的として学習管理システム「学認LMS」による学習環境の提供について述べる.学認LMSは,共通教材の提供やカスタマイズが可能であり,学術認証フェデレーション(学認)を通じて効率的な受講者管理を実現する.さらに,短時間の動画を活用した「マイクロコンテンツ教材」により,多様な学習者ニーズに応じた最適な学習環境を提供する.本システムの活用は,研究データ管理に携わる人材の育成を支え,研究の効率化と質の向上に寄与することが期待される.

  • 川邊 咲子, 橋本 雄太, 堀井 洋, 小川 歩美, 高田 良宏, 山下 俊介
    2024 年34 巻4 号 p. 373-376
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     本発表では, 資料情報収集アプリ「みんぐWeb」について紹介し議論する.地域民具資料の保存・継承・活用の課題の解決に向け,学術資源リポジトリ協議会(Re*poN)は,民具資料情報の収集・共有プラットフォームとしての「みんぐWeb」アプリの開発を進めている.このアプリでは,誰でも資料目録情報,文献情報,展示・イベント情報の共有・閲覧ができ,共有される情報は簡単な画像だけでも資料目録として未完成でも可能である.このように情報共有のハードルを下げることで,より多くの民具資料が発見され活用されることを目指している.また,既存の資料情報公開プラットフォームとの連携や,博物館等で行われる資料情報収集や展示などでのアプリの活用により,民具情報収集・活用のためのコミュニティ形成に寄与することも想定される.

  • 松平 拓也, 笠原 禎也, 高田 良宏, 濵 貴幸, 長井 圭治, 蟹屋敷 祐介
    2024 年34 巻4 号 p. 377-380
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     金沢大学は令和2年度「先端研究基盤共用促進事業(コアファシリティ構築支援)」に採択され,研究データエコシステムの一環として学術データ管理システム「ARCADE2」を構築し,試行運用を行っている.本システムは「金沢大学学術データマネジメントポリシー」に基づき,研究データと教育活動で生成された「学術データ」を包括的に管理することを目的としている.現在,コアファシリティ環境での適用に向けた改良とアーキテクチャの開発を進めており,オープンソースの活用により低コストで柔軟なシステムを構築し,研究データエコシステムの基盤として他大学への展開も目指している.

  • 小川 歩美, 堀井 美里, 堀井 洋
    2024 年34 巻4 号 p. 381-384
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     デジタルアーカイブは,資料を保存・蓄積・継承し,資料の利活用を促進するものとして近年さかんに公開が進められている.また,資料やその所蔵に関する情報を公開することにより,自然災害発生後において,被災した可能性のある資料の存在を把握することが可能である.AMANE Archivesでは,2023年より地域資料の調査研究を逐次公開し,デジタルアーカイブ環境の共有を通して地域と連携することを目的としている.現在は6,700点ほどが公開されており,そのなかには令和6年能登半島地震で広範囲にわたって甚大な被害を受けた輪島市の資料も含まれる.本稿では,AMANE Archivesが災害発生後に,災害地域の資料情報を提供する役割を持ったことを事例として,被災した可能性がある資料とデジタルアーカイブの関係性を考察し,地域資料アーカイブが持つ社会的意義について述べる.

  • 長岡 千香子, 古川 雅子, 孫 媛, 林 正治, 朝岡 誠, 重田 勝介, 武田 俊之, 山地 一禎
    2024 年34 巻4 号 p. 385-388
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

    大学教員等の教育者が教育活動の中で作成した資料や授業の動画自体を Open Educational Resources(以下,OER)として公開する取組が国内でも実施されている.先行研究において,これらのOERのメタデータを自動もしくは手動で収集し,横断検索できる仕組みを構築して「OERリポジトリ試行版」として公開した.しかしながら,現在,リポジトリに登録されているOERのメタデータはタイトルや概要等,項目が限定されており,また,登録する機関によって入力内容にばらつきがあった.そこで本研究では,OERを機関リポジトリ等で登録する際のガイドラインを構築することで,教材として検索しやすいメタデータ付与の方法について説明することを目指した.また,OERの背景・事例等もガイドラインに含めることで,OER自体に対する理解促進を目指した.本発表では構築したガイドラインの概要について発表する.

  • 榎本 千賀子, 櫻澤 孝佑
    2024 年34 巻4 号 p. 389-392
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー

     「奥会津デジタルアーカイブ(奥会津DA)」は,福島県奥会津地域の7町村(柳津町・三島町・金山町・昭和村・只見町・南会津町・檜枝岐村)が構築・公開する自治体連携型の地域デジタルアーカイブ(以下,DA)である.本発表では,奥会津DAのシステムを活用した民具整理ワークショップの実践を通して,市民参加型の資料保存・継承活動におけるDAシステムの活用可能性を検討する.実践からは,DAシステムを市民参加型の活動に活用する基本的な手順と課題を整理することができた.今後は,市民のリテラシー格差に配慮した,より効率的な活動デザインの検討が課題である.

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