日本乳酸菌学会誌
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総説
プロバイオティクスの歴史と進化
光岡 知足
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キーワード: probiotics, prebiotics, biogenics
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2011 年 22 巻 1 号 p. 26-37

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抄録

20 世紀のはじめMetchnikoff は、ヨーグルトを摂取すると、腸内にLactobacillus 菌叢ができ、腐敗菌の増殖を抑え自家中毒を防ぐことができると主張した。これは、「プロバイオティクス」の概念の誕生とみることができる。1920年代に、腸から分離した菌であるL. acidophilus で発酵乳をつくることが提唱され、1950 年代には、 Bifidobacterium の使用が始まった。これまで、多くの研究者は、摂取したプロバイオティクスは生きたまま腸まで達し、そこで増殖し定着すると考えているが、摂取した外来のLactobacillus Bifidobacterium がヒトの腸内で生残し、定着することはかなり困難であることが認められた。1970 年代になってL. helveticus と酵母で調製した殺菌酸乳のマウスの寿命および移植腫瘍の増殖における保健効果の研究を行なった結果、マウスに殺菌酸乳を投与すると対照より寿命が8% 延長し、さらに、殺菌酸乳または乳酸菌の菌体成分には投与菌数に比例して移植癌細胞増殖抑制作用が認められ、乳酸菌は死菌であっても生菌と同等の保健効果があることが明らかにされ、筆者は、機能性食品として新たにバイオジェニックスの概念を提唱した。 プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックスなどの機能性食品は免疫系を刺激し、ストレス・食欲・吸収などの生体制御、ならびに免疫機能や抗アレルギー作用などの生体防御を高め、さらに、生活習慣病を抑える。バイオジェニックスは、プロバイオティクスの進化したものとして、他のバイオジェニックスやプレバイオティクスと組み合わせ、サプリメントとして生活習慣病予防や代替医療として利用されることが期待される。

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© 2011 日本乳酸菌学会
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