日本乳酸菌学会誌
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総説
乳酸菌がチーズの製造と品質に及ぼす影響
三浦 孝之阿久 澤良造
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2011 年 22 巻 2 号 p. 93-99

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抄録
ナチュラルチーズの種類は1000 以上とされるが、製造に必要な原材料は乳、凝乳剤、乳酸菌等の微生物および塩のみである。とくに乳酸菌はナチュラルチーズ製造時に重要な働きを示すだけでなく、製品の品質に及ぼす影響が大きい。Lactococcus 属、Leuconostoc 属を主体とした乳酸菌スターターは製造工程において原料乳のpH 低下および良好な凝乳反応を促し、乳酸菌由来のタンパク質分解酵素はチーズのテクスチャーや風味に多大な影響を示す。さらに乳タンパク質の分解産物であるアミノ酸はアミノ基転移酵素(AT 酵素)による異化作用を受け、セミハード・ハードタイプチーズの特徴的な芳香成分生成に関わる。Lactococcus 属のAT 酵素は良く研究されており、分子量38-43.5 kDa のサブユニットが2-4 量体を形成している。 またLactobacillus 属のLb. paracasei subsp. paracasei からもAT 酵素活性が示され、これらの酵素および菌株がチーズの品質に及ぼす影響について研究が進められている。
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© 2011 日本乳酸菌学会
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