抄録
乳酸菌は自然界に広く分布し,それぞれの生息環境に適応した住み分けをしているといわれる。乳業における乳酸菌の果たす役割は大きく,古くから自然界由来の優良な乳酸菌をスターターに用いて良質な発酵乳製品を安定的に製造する試みがなされてきている。一方,近年における消費者ニーズの多様化,高度化に伴い,食品産業においては食品のもつ多面的機能に大きな関心が寄せられ,この視点に立った研究の必要性が唱えられている。乳酸菌を利用した発酵乳製品の製造においても.すぐれた代謝的機能を有する乳酸菌を探索し.その増殖や発酵に伴う保蔵的または保健治療的効用を検討することは重要なことである。本稿では乳系乳酸菌の分離。培養,保存の技術ならびに諸外国の発酵乳製品から乳酸菌を分離し,菌の性状を調べた結果を述べることとする、