2025 年 28 巻 1 号 p. 33-47
本研究の目的は,消費者による小売チャネル使い分けのパターンを明らかにすることである。小売企業は複数のチャネルを展開することで,シナジーで相乗効果につながることもあれば,カニバリゼーションで共食いを起こすこともある。一方,消費者は商品を購買する際に,複数の小売チャネルを使い分けている。本研究では,概念的フレームワークを提示し,消費者が複数チャネルをどの程度の頻度で選択しているかで,消費者を分類する。それにより,消費者のチャネル使い分けパターンを探り,属性からパターンごとの違いをみる。既存研究では主にオフラインとオンラインでチャネル選択を分析していたが,本研究ではそれぞれ詳細に区別することで,具体的なチャネル使い分けが確かめられた。分析の結果,消費者のチャネル使い分けには「均一型」「高頻度型」「標準型」「スーパー重視型」「コンビニ重視型」「低頻度型」の6パターンが存在することが示された。また,使い分けパターンごとで属性が違うことを確認し,シナジーとカニバリゼーションを用いて考察した。