2018 年 2 巻 1 号 p. 23-28
本研究の目的は,原産国イメージ研究を認知的要因の観点からサーベイし,認知的要因の研究が黎明期にある背景と,それを発展させる鍵概念に着目し,論じることである。
サーベイの結果,認知的要因は消費者の購買意思決定に関する成果指標と直接的に結びつきづらいことや,認知的要因と成果指標との間を,ブランド・イメージが媒介することが明らかになった。さらに,サーベイにおいて検討したブランド・イメージの定義を,便益ベースのイメージという概念に紐づけることで,本研究領域に新しい理論的貢献が期待できることが示唆された。