日本栄養・食糧学会誌
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カテゴリカル主成分分析を用いた,糖尿病患者における血糖値に影響する食品および料理の認識に関する検討
藤井 彩乃幣 憲一郎永口 美晴和田 啓子北浦 鏡子水本 香菜桑原 晶子稲垣 暢也田中 清
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2013 年 66 巻 2 号 p. 77-85

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抄録
糖尿病患者が適正体重を保つ食事量に加え,血糖値を上げやすい食品・料理を認識していることも重要だが,この点に関する既報は乏しい。そこで糖尿病患者に血糖値を上げやすい栄養素・食品・料理の認識に関する調査を行い,カテゴリカル主成分分析(CATPCA)により解析した。栄養素として炭水化物が血糖値を上げやすいと答えた224名中136名(61%)(C認識良好群)は,食品・料理レベルでも,高炭水化物のものを正しく選択していたが,炭水化物以外を回答した群(C認識不良群)は,血糖値を上げるものとして,高脂質の食品・料理を高頻度で選んでいた。CATPCAで得られた「高炭水化物食品」因子と「高炭水化物料理」因子は,C認識良好群では有意の相関を示した。しかし,C認識不良群では相関せず,栄養素レベルの判断が誤っているのみならず,食品・料理レベルの認識においてもずれが生じており,栄養指導の際に留意すべきと考えられた。
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© 2013 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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