日本栄養・食糧学会誌
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総説
コレステロール代謝制御に関する栄養食糧学的研究
(平成27年度日本栄養・食糧学会学会賞受賞)
長岡 利
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2018 年 71 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

世界初のコレステロール(CHOL)代謝改善ペプチドであるラクトスタチン(IIAEK)を牛乳β-ラクトグロブリンから発見した。ラクトスタチンは新規Caチャネル関連シグナルを介してCHOL分解系の律速酵素CHOL 7α-水酸化酵素(CYP7A1)遺伝子を活性化した。新規リン脂質結合大豆ペプチドを含有する特定保健用食品は高CHOL血症患者のCHOL代謝を改善した。世界初の大豆由来CHOL吸収抑制ペプチド(ソイスタチン:VAWWMY)を発見し,ペプチドアレイによるVAWWMYの高機能化に成功した。卵白由来GLWEKをCYP7A1活性化ペプチドとして特定した。牛心臓ペプチドや米糠タンパク質は高CHOL血症を改善した。藍藻スピルリナのフィコシアニンやローヤルゼリーのMRJP1がいずれも新規CHOL低減化タンパク質であることを発見した。S-メチル-L-システインスルホキシドを含むCHOL代謝改善作用を発揮する特定保健用食品創成に貢献した。EGCGは動脈硬化を促進するPCSK9の低下を伴ってLDL受容体を活性化した。

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© 2018 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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