日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
配合比率の異なるモチ性大麦混合米飯の摂取が食後血糖値に及ぼす影響
青江 誠一郎小前 幸三井上 裕村田 勇峰岸 悠生金本 郁男神山 紀子一ノ瀬 靖則吉岡 藤治柳沢 貴司
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2018 年 71 巻 6 号 p. 283-288

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抄録

本研究は, 異なる配合率のモチ性の大麦品種「キラリモチ」混合米飯の摂取が米飯と比較して食後血糖値の上昇を配合率依存的に抑制するかとGlycemic Index (GI) が配合率依存的に低下するか検証するため実施した。対象は健常な成人10名 (男性6名, 女性4名) とした。糖質50 g分の米飯 (基準食) とモチ性大麦の配合率が30, 50, 100%の大麦混合米飯 (試験食) のそれぞれを摂取し, 摂取前および摂取開始から15, 30, 45, 60, 90, 120分後の血糖値を測定した。血糖値, 血糖値上昇曲線下面積 (IAUC) , Glycemic Index (GI) について解析した。大麦の配合率が増加するほど血糖値とIAUC0-120が低下した。GIは, 基準食を100とした場合, 大麦配合率30, 50, 100%でそれぞれ, 79.7, 67.5, 48.3であった。モチ性大麦混合米飯には, β-グルカン量に依存して米飯と比較して血糖値の上昇を抑制する効果が示唆された。

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© 2018 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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