2022 年 75 巻 2 号 p. 77-82
近年, 食品の三次機能である生体調節機能を持つ食品成分に注目が集まっている。筆者は, 多様な機能性を有することが明らかにされているポリフェノールのうち, プロシアニジンやテアフラビンなどの縮合型タンニンの生体調節機能の検証を行ってきた。これらのポリフェノールは, ほとんど体内に吸収されない難吸収性であり, 生体利用性が低いと考えられている。本稿では, 難吸収性のポリフェノールの特性に着目して, 消化管を起点とする新規な生体調節機能として, 消化管ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1) の分泌促進を介した肥満・高血糖予防作用とその作用機構について解説する。また, 難吸収性ポリフェノールによるGLP-1分泌促進作用は, 血管内皮型一酸化窒素合成酵素の活性化を介した血管機能の向上にも寄与することも紹介する。さらに, プロシアニジンの生体調節能と体内時計の関係についても触れる。これらのことから, 難吸収性のポリフェノールは多臓器間のシグナルネットワークを介してさまざまな生体調節機能を発揮しうることと, 機能を発揮するのに適したタイミングがあることがわかった。