日本栄養・食糧学会誌
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総説
天然由来素材プロポリスによる認知症予防・治療に関する分子基盤研究
稲垣 良森口 茂樹
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2024 年 77 巻 3 号 p. 171-177

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抄録

アルツハイマー病 (AD) は, 軽度から重度の認知機能障害を主症状とする神経変性疾患であり, 進行状況に応じて周辺症状であるうつ症状, 不安症状などの精神障害の出現が報告されている。現在臨床適応されているAD治療薬の治療満足度・貢献度は共に十分ではなく, 新しい作用機序を有する化合物開発は喫緊の課題である。プロポリスは自然界においてミツバチにより収集される天然物であり, 200種類以上の天然物 (桂皮酸誘導体, フラボノイド, ビタミン類など) により構成されている。これまでの報告では, プロポリスには神経保護効果・抗酸化作用があることが報告されており, プロポリスの活性成分として, artepillin C, caffeic acid, baccharin等が確認されている。本稿では, プロポリス摂取によるADの予防・治療への適応の可能性について紹介したい。

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© 2024 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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