日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
卵白アレルゲン「リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素」の消化性と酵素活性
鈴木 麻希子吉野 葵
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2025 年 78 巻 3 号 p. 167-171

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抄録

我々は, これまでに, 卵白中に含まれる「リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素」 (L-PGDS) が, アレルゲンであることを報告した。また, トリL-PGDSの高感度定量法を開発し, 鶏の系統やその他の因子によって, その含有量に差があることを報告した。L-PGDSはプロスタグランジン (PG) H2をPGD2に変換する酵素であり, トリL-PGDSが活性を示すことは報告されているものの, その安定性や消化性については明らかでない。本研究においては, トリL-PGDSのペプシン, トリプシンに対する消化性, ならびに消化による酵素活性への影響について明らかにすることを目的に行った。その結果, トリL-PGDSをペプシンにより30分間消化を行っても, そのほとんどは未消化で活性が残ること, 30分間のペプシン消化後に続けてトリプシン消化を120分間行うと, その活性は検出感度以下となることを明らかにした。

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