抄録
100匹の雄ラットをad libitumとpairedの2群に分け, この各群をさらにそれぞれ飼料中カゼイン含量10%, 18%, 27%の3群に分け, 飼料組成の飼料摂取量および窒素効率, 飼料効率, 体重, 尾長におよぼす影響をしらべた。
飼料摂取量はad libitumの3群間に大差なく, pairedではad libitumにくらべ90%前後の摂取量になっている。窒素効率は10, 18, 27%群の順で高く, 飼料効率は5~9週では27, 18, 10%群の順に高いが, 15~19週以後では逆の順になっている。
体重について10週毎に統計的に検討するとad libitumでは30週まで, pairedでは20週までは10%群は他の2群より有意差をもって小さく, 27%群は18%群より平均値からみるとやや大であるが有意差はない。それ以後になるとad libitum, pairedともに3群間に有意差はなくなる。平均値からみるとad libitumでは10%群がひきつづき最も小であったが, pairedでは約35週以後はかえって10%群が最も大になった。
ad libitumとpairedとを比較すると, 平均値からみると18%, 27%両群では終始ad libitumの方がpairedより大であった。10%群では25週頃まではad libitumの方が大であったが, それ以後は逆にpairedの方が大となっている。統計的には27%群についてのみ50週まではad libitumの方が有意の差をもって大であった。腹のちがいは体重増加に有意の影響を与えていなかった。
尾長はad libitum, pairedともに平均値は27%群が最も長く, ついで18%, 10%群の順である。10%群18, 27%両群の間には有意差があるが, 27%群と18%群の間には有意差はなかった。
ad libitumの場合はpairedの場合にくらべ3群とも平均尾長は大であったが, 有意差はなかった。