栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
19 巻 , 2 号
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  • 尾崎 忠二郎
    1966 年 19 巻 2 号 p. 63-75
    発行日: 1966/07/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    以上で世界の食糧事情の現況と将来をみたが, FAOがしばしばのべているように, 食糧生産の増加が人口増加にようやく追付いており, 進国では近年それがまた人口増加に追付かなくなってきつつあるようにみられる。1人当たりの消費増と質的な変化を考えるとこのとはもっとはなはだしくなる。
    古くは1798年にマルサスが人口論をあらわし, 食糧生産は算術級数的に増加し, 人口は幾何級数的増加するといったが, それが再来したようにいわれてきている。しかし, いままで, 一方ではアメリカに尨大な余剰農業物があり, 他方では飢えたアジアがあったということは, あくまでも食糧の相対的な過剰や不足があったということを示すものであるすなわち後進国は外貨がないために食糧が買えなかったので, 主としてアメリカの余剰農産物の援助計画で, 不足を補填していたが, それでもなお十分な1人当たり供給ができなかったのである。他方それでもなお余剰農産物がアメリカでは集積していったのである。しかし, 最近のように, アメリカの余剰農産物が減少してくると問題はまた変わってくるであろう。なお, アメリカには潜在的な生産力まだ多くあるという展開点はそに残されている。
    いずれにせよ後進国で人口増加率が高いことは食糧生産の成長率のみならず, 国民経済一般の成長率がたとえ高くとも, 大きな人口増よってその成長率が吸収されてしまい1人当たりの食糧生産や所得は低いものになってしまう。
    リオデジャネイロのブラジル大の栄養研究所長をしていたジョーズエ・デ・カストロ教授は, 1952年に「飢えの地理学」という本を書いており, その中で動物性蛋白摂取量の少ない国は出生率が高く, 摂取量の多い国は低いということを統計的に算出している。これは1950年頃の統計とみられるが, のことから, 同教授は貧困な国では澱粉質食糧の消費比率が高くこれが多産の原因となっているのだと述べ, このことから, 人口が多いから後進国は貧困なのではな, 貧困で澱粉質食糧を多く摂取する (すなわち動物蛋白の消費が少ない) から子供が多くなるのだと述べている。これが正しいか否か筆者には判断できないが, 最近の数字に置きかえてこれをみると, ほぼ1963年に, インドでは動物蛋白を1人1日当たり5.9グラムしか消しないが, 出生率は1, 000人に付き20.9人である。日本は同様な数字が16.9グラムの動物蛋白で出生率は1, 000人につきわずかに17.3人である。一方オーストラリアでは動物蛋白を1人1日60グラム摂取するが出生率は1, 000につき21.6人である。
    カストロ教授の計算した1950年頃の数字では日本は動物蛋白摂取量1人1日わずかに9.6グラムで, 出生率1, 000人につき27人であった。そしてオーストラリアでは現在と同様60グラムで人口1, 000人当たり出生数は18人であった。
    このうな変化はカストロの説にして正しければ日本の動物質蛋白摂取量が多くなったことにもよるが, 日本の家族計画の普及ということもよるのであろう。このようにみると, 困難なことではあるが, 後進国では今後家族計画の問題は必要となってくるであろう。インド中共ではこのことが広く研究されているようである。
    しかし家族計画はあくまでも貧困だから子供が持てないということでな, 計画的に将来の家族員数をふやすということであるべきと考えられる。
  • 高橋 徹三, 中川 一郎, 小林 克巳, 大木 フサ
    1966 年 19 巻 2 号 p. 76-80
    発行日: 1966/07/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    100匹の雄ラットをad libitumとpairedの2群に分け, この各群をさらにそれぞれ飼料中カゼイン含量10%, 18%, 27%の3群に分け, 飼料組成の飼料摂取量および窒素効率, 飼料効率, 体重, 尾長におよぼす影響をしらべた。
    飼料摂取量はad libitumの3群間に大差なく, pairedではad libitumにくらべ90%前後の摂取量になっている。窒素効率は10, 18, 27%群の順で高く, 飼料効率は5~9週では27, 18, 10%群の順に高いが, 15~19週以後では逆の順になっている。
    体重について10週毎に統計的に検討するとad libitumでは30週まで, pairedでは20週までは10%群は他の2群より有意差をもって小さく, 27%群は18%群より平均値からみるとやや大であるが有意差はない。それ以後になるとad libitum, pairedともに3群間に有意差はなくなる。平均値からみるとad libitumでは10%群がひきつづき最も小であったが, pairedでは約35週以後はかえって10%群が最も大になった。
    ad libitumとpairedとを比較すると, 平均値からみると18%, 27%両群では終始ad libitumの方がpairedより大であった。10%群では25週頃まではad libitumの方が大であったが, それ以後は逆にpairedの方が大となっている。統計的には27%群についてのみ50週まではad libitumの方が有意の差をもって大であった。腹のちがいは体重増加に有意の影響を与えていなかった。
    尾長はad libitum, pairedともに平均値は27%群が最も長く, ついで18%, 10%群の順である。10%群18, 27%両群の間には有意差があるが, 27%群と18%群の間には有意差はなかった。
    ad libitumの場合はpairedの場合にくらべ3群とも平均尾長は大であったが, 有意差はなかった。
  • 小柳 達男, 和田 せつ, 室橋 正男, 三村 二雄
    1966 年 19 巻 2 号 p. 81-84
    発行日: 1966/07/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Hens (2-years-1-month old) fed a diet containing 10% of grease and 0.5% of cholesterol developed atherosclerotic lesion in 8 months. Vitamin A (10mg of vitamin A acetate/day/hen) or vitamin E (50 mg of dl-α-tocopherol acetate/day/hen) administered singly or together seemed to decrease serum cholesterol and cholesterol esters in the aortic lipids even though this effect was not significant because of large variations within the group. No synergistic action of two vitamins was not observed. The excretion of lipid in the feces was increased by the addition of the vitamins.
  • 川島 裕博
    1966 年 19 巻 2 号 p. 85-98
    発行日: 1966/07/30
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    1951年宮木らにより, 頭痛発赤を主とする食中毒-とくにサンマ桜乾し-の発症原因物質はヒスタミンの異常摂取によることが明にされ, そのヒスタミン生成菌はPr. morganiiであることも明になった。柳沢研究室では, Pr. morganii以外の菌種でもヒスタミン大量生成がなされることを見出し, 現在まで4菌種を分離した。著者はこれらのアレルギー様食中毒研究に従事したが, 1961年2月アレルギー様食中毒事例の原因食品と推定されるエビより, Psychrotrophic bacteriaで, ヒスタミンを異常生成する菌を発見した。この分離菌の細菌学的研究, ヒスタミン生成量に関して研究を重ねた結果, 本菌はアレルギー様食中毒の食品衛生学的な見地からみて, 新しい知見を得たと考えられた。この研究成績を要約すればつぎのごとくである。
    1. 分離菌YKは4℃発育し, 同温度でヒスタミンを大量生成し, グラム陰性の周毛性桿菌で, 乳糖より微量のガスと酸を生成する。Kauffmannらの腸内細菌科の分類法による識別では生化学的性状は, Citrobacter群にほぼ一致する。低温発育, ヒスタミン生成との性状を重視して, 新しい菌種であると文献的に考察しえたので, YK株をCitrobacter sp. YK (Y. Kawashima) と名付けた。
    2. Psychrophilic bacteriaとしての検討で, 定型的な好冷菌であり, 0℃でも発育する。凍結状態では菌は死滅する。
    3. 各種の物理的, 化学的抵抗性は一般に弱いことを特徴とする。
    4. いわゆる赤味の魚介類では, 本菌によりヒスタミンを3.2mg/g以上生成する。従来分離されたヒスタミン異常生成菌と同じ, ヒスチヂン脱炭酸酵素活性を有する。
    5. 各種のヒスチヂン含有培地で, 異なるヒスタミン異常生成菌3株を本菌と, 温度条件, 食塩濃度差などにつきヒスタミン生成量, NH3-N量, 細菌数などの検査項目で比較研究を実施した結果, 本菌の特性は37℃で発育せず, 他の3菌種はよく発育し, ヒスタミンも3.2mg/cc以上であるに反し, 低温4℃の条件下では3菌種は発育も明でなく, ヒスタミンも生成しないが, 本菌は10日内外で3.2mg/ccのヒスタミンの生成をみた。その場合, NH3-N量は30mg%以下であった。低温発育菌, 多数株につきヒスタミン生成菌の検出につとめたが本菌種を除き蒐集, 分離しえなかった。
    6. サンマ桜乾しの4℃における製造工程でも, ヒスタミンは3.2mg/gの産生をみた。この実験で, 魚肉の低温保存のみの処理では, アレルギー様食中毒を防止することは不可能であることを明にした。食品衛生対策上, 新たなる問題を提起したと考えたい。
    7. 本菌はアミノ酸脱炭酸酵素により, ヒスタミン以外のアミンを生成する。
  • 河田 正治, 谷口 洋子, 真田 宏夫, 前田 敏雄, 宮原 ハツヨ, 棚橋 陽吉, 吉村 寿人, 堀川 蘭子, 芦田 輝子, 村松 敬一郎 ...
    1966 年 19 巻 2 号 p. 99-113
    発行日: 1966/07/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 吉 利和, 柴田 長夫, 赤沢 北生, 前田 貞亮, 山下 政三, 安田 和人, 山本 学, 五島 孜郎, 関 博麿, 後藤 たへ, 佐藤 ...
    1966 年 19 巻 2 号 p. 114-129
    発行日: 1966/07/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 吉 利和, 柴田 長夫, 前田 貞亮, 山下 政三, 安田 和人, 山本 学, 佐伯 芳子, 佐伯 篤, 鈴木 義昭, 萩野 寿子, 竹中 ...
    1966 年 19 巻 2 号 p. 130-140
    発行日: 1966/07/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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