1970 年 23 巻 5 号 p. 312-319
エリスロシンおよびローズベンガルならびにこれら色素のタンパク質との複合体形成による螢光の変化について調べた。
この結果, 色素単独の場合は, 低濃度の場合は紫外部高濃度の場合は可視部の螢光が相対的に強いことが判った。また両色素とも濃度消光を示す。
濃度消光がみられる条件でウシ血漿アルブミンを添加すると, ローズベンガルの場合は螢光強度が減少するがエリスロシソでは増加した。
また色素濃度を一定にしてウシ血漿アルブミンおよびヵゼインを0~0.1%の範囲で添加すると, タンパク質の種類および濃度によって螢光強度に変化がみられた。この際螢光の増加は色素分子の平面性がよくなるためと考え減少の場合は, タンパク質分子附近の色素濃度の増加による消光と考えた。