栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
タンパク質と食用色素の結合 (XI)
結合の自由エネルギー測定のための分光学的方法と透析平衡法の比較
相沢 秀俊
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1970 年 23 巻 5 号 p. 320-324

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抄録

透析平衡法と分光学的方法の比較を結合の自由エネルギーの点で行なった。色素としてアゾ色素のポンソー3R, キサンテン色素のローズベンガル, エオシン, エリスロシン, トリフェニールメタン色素のファーストグリーン, アシドバイオレットにつき実施した。タンパク質はウシ血漿アルブミンを用いた。
この結果, これら色素とウシ血漿アルブミンの結合の自由エネルギーは-6, 000~7, 500cal/moleの範囲にあった。これは透析平衡法で得られた数値より, アシドバイオレットのpH 5.2を除き一般に小さかった。しかし, この分光学的方法は試料が少なくてすみ, 操作が簡単であるなどの利点を考えると十分有効な方法であると考えられる。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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