栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
煮熟乾燥オキアミ自動酸化油メチルと揮発性, 非揮発性窒素化合物との反応
Euphausia superba (南極オキアミ) の栄養食品化学的研究 (第5報)
松本 恵子一寸木 宗一浜倉 大全前川 昭男鈴木 隆雄
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1977 年 30 巻 5 号 p. 283-289

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抄録
煮熟乾燥オキアミ貯蔵中の褐変について酸化脂質と窒素化合物との反応に着目, 酸化脂質に由来する褐変物質生成過程を推定し, 煮熟乾燥オキアミからVBN区, Non-VBN区を調製し, これらの区分と酸化オキアミ油メチルおよび酸化リノール酸メチルとを反応させ生成した変色物質の溶解性, 両区分の変色への影響およびケイ光強度, さらに変色反応後の酸化脂質の過酸価物価, カルボニル価およびTBA値の経時的変化を検討した。
1) 酸化脂質の変色はVBN区, Non-VBN区の窒素量に影響され, 430nmにおける吸光度はF-1において最も高い値を示した。
2) 各4区分のケイ光強度の経時的変化は48時間, 72時間において増大することが明らかとなり, また72時間反応後の各4区分のケイ光強度を比較検討した結果, F-1はF-2の約50倍, さらにF-3, F-4の約500倍の高いケイ光強度を示した。
3) VBN区, Non-VBN区における過酸化物価, カルボニル価, TBA値は変色物質の増加に伴い72時間まで増加する傾向が認められたが, Non-VBN区は各測定値とも, VBN区に比較して高い値を示した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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