抄録
in vivoにおけるCaの投与量と生体反応の関係を計数化, つまり, ウサギのCa経口負荷により, Caの腸管吸収にともなう血清Caの増加, Pの減少などの生体反応のパターンを求めて, これに対する縮合メタリン酸塩 (PMP) の抑制作用を観察した。
1) 予備実験蒸留水の強制的経口投与, 経時的な採血などの物理的な刺激を禁餌ウサギに与えた場合 (対照A群), 血清中のCa量の経時的変化はわずかながら低下したが, 血清P量では投与後ほぼ一定の勾配で漸時低下する傾向を示した。
PMPを体重kg当たり200mg以上の投与群 (対照B群) では血清Ca量の減少, P量の増加を認めたが, 100mg/kgでは対照A群と同様な経時変化を示した。
塩化カルシウム250mg/kgの投与 (対照C群) では血清Ca量が順次増加する一峰性の経時変化で, P量では投与後急速に減少し, その後やや回復する波状性の経過を示した。
2) 本実験PMP 100mg/kg-塩化カルシウム250mg/kg投与群 (実験A群) ではCa負荷時の血清Ca, P量の経時変化に対してPMPがそれを抑制する作用を示した。
PMP 50mg/kg-塩化カルシウム250mg/kg投与群 (実験B群) では, 上記の実験A群と同様にPMPは抑制作用を示した。
PMP 25mg/kg-塩化カルシウム250mg/kg投与群 (実験C群) ではCa負荷時の血清Ca, P量の変化に対してほとんど影響を示さなかった。