栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
アミロメイズVデンプンの製パン性について
田中 康夫高野 博幸綾野 雄幸太田 富貴雄渡辺 幸雄田中 和夫福野 滋樹
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1978 年 31 巻 3 号 p. 273-281

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抄録
AMSの難消化性を利用した低カロリーパンを製造する目的で, まずAMSの製パン適性を検討した。AMSの製パン適性は他のデンプンや穀粉と比較してとくに劣っていることがわかったが, これはこのデンプンの特異な糊化特性に起因するものと思われる。AMSの添加量は, パンの比容積に対する影響の点からは10% (置換添加) が限界であったが, グルテンとショ糖エステルを添加し, さらにホイロ時間を若干延長するという方法をとることによって, 50%までのAMSの添加が可能となり, 比容積の点からはAMSだけを10%添加したものに匹敵するパンの製造が可能となることがわかった。
なおAMSの添加は, パンの膨脹 (体積) に対してとくに悪影響を与えるが, パンの味に対しても悪い影響を与えるので, 今後さらに味を改善するための研究が必要と思われる。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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