1980 年 33 巻 5 号 p. 309-315
脂質過酸化物を負荷したラットに, BHT, B2-TB, EA, ENを投与し, 脂質過酸化物投与の赤血球の酸化的溶血率, 肝・血漿TBA値, 肝GSHpx活性への影響を調べ, 次の結果を得た。
1) 脂質過酸化物投与は, 赤血球の酸化的溶血率を亢進させること, すなわち, E欠乏を増大する方向で作用すると考えられる。
2) 脂質過酸化物投与は, 肝・血漿における過酸化脂質量を増大させる. また, EA, EN投与はこの増大を抑制する方向に働くが, 過酸化物非投与群のEA, EN群ほどのレベルには低下させない。
3) 肝GSHpxは過酸化物投与で活性が低下し, EA, EN投与で回復する。
4) 肝GSHpx活性は, 過酸化物非投与群ではE欠乏で増大することが認められた。