日本栄養・食糧学会誌
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精製トウモロコシ外皮 (RCB) のラットの成長および消化率に及ぼす影響と消化管内での形態変化
竹内 政保川村 三郎田中 進太田 冨貴雄綾野 雄幸
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1988 年 41 巻 1 号 p. 35-42

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抄録
wet milling工程から採取したCBを精製してDF含量を高めたRCB (NDFとして85.2%) をラットに投与し, 成長や可消化栄養素の消化吸収に及ぼす影響, およびRCBの消化管内での形態変化について調べた。
1) RCBを飼料にNDF含量として5%および10%レベルで添加して投与したところ, 両群とも成長は恒常であった。しかし, 飼料効率は10%群で, タンパク質効率は両群において対照群より有意に低い値を示した。
2) RCBは可消化栄養素の消化吸収を阻害したが, タンバク質の消化吸収に与える影響が大きかった。RCBの見かけの消化率は, NDFとして求めると, 5%群18.5%, 10%群13.8%であった。
3) ラットの消化管を通過したRCBを走査型電子顕微鏡で観察した結果, RCBは細胞壁が薄くなり, 細胞内壁の平滑さが失われていた。このことは, 観察結果と糞から回収したRCB標品の分析から, 消化管内において非セルロース多糖類が溶出すると推定された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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