日本栄養・食糧学会誌
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微小繊維状セルロース-ペクチン混合物の投与量の多寡がラットの成長, 糞量ならびに消化管通過時間に及ぼす影響
中村 カホル早川 享志滝田 聖親福富 麻子西郷 光彦印南 敏福井 克任樋口 勝水口 和彦
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1988 年 41 巻 3 号 p. 185-189

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抄録

微小繊維状セルロース-ペクチン (MFC-P) について, ラットを用いその投与量の多寡が成長・臓器重量・糞量ならびに消化管通過時間に及ぼす影響を検討し, 次の結果を得た。1) MFC-Pの5, 7.5および10%投与により, 飼料摂取量は投与しベルの上昇につれて増加の傾向がみられたが, 体重増加量は各群間に有意差は認められなかった。2) 睾丸, 副睾丸, 副睾丸周辺脂肪および盲腸を除く臓器重量は各群間に有意な差はなかった。盲腸重量は, セルロース粉末+ペクチン (CP+P) 群ではMFC-P群やセルロース粉末 (CP) 群より有意に高く, 食物繊維レベルの増加に伴い増加傾向が認められた。3) MFC-P投与群では, 結腸・直腸の長さはCP群やCP+P群に比べて有意な差は認められなかったが, 小腸の長さは長くなる傾向がみられた。4) MFC-P投与群では, CP+P投与群に比べて, 糞の湿, 乾燥重量および保水性が増大し, しかも投与量の増加につれて増大した。5) MFC-P群における消化管通過時間は, CP群やCP+P群のそれに比べて短縮され, その影響は投与量の増加につれて顕著であった。

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