日本栄養・食糧学会誌
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微小繊維状セルロース-糖類混合物がラットの成長, 糞量ならびに消化管通過時間に及ぼす影響
中村 カホル早川 享志滝田 聖親福富 麻子西郷 光彦鈴木 和春五島 孜郎印南 敏福井 克任樋口 勝水口 和彦
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1988 年 41 巻 3 号 p. 191-196

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抄録

3種類のMFC-糖類混合物 (1: 1; MFC-LL, MFC-FO, MFC-PD) およびCPと3種類の糖類との混合物 (1: 1) をSD系ラットに21日間投与し, つぎの結果を得た。
1) MFC-糖類混合物10.0%投与群の, 体重増加量, 飼料摂取量は10.0%CP投与群のそれらに比べて差が認められなかった。
2) 脾臓, 盲腸副腎の重量, 小腸および結腸・直腸の長さに及ぼす影響はMFCと混合する糖類により異なった。
3) MFC-糖類混合物投与群の糞量はCPに糖類を添加した群に比べて高い値を示した。
4) MFC-糖類混合物投与群の消化管通過時間はCPに糖類を添加した群に比べて短縮されることを認めた。
5) MFC-糖類混合物投与によるタンパク質および脂質の見かけの消化吸収率は, タンパク質ではいずれも有意に低く, 脂質のそれはMFC-LLにおいて若干低くなった。
6) ミネラル (Ca, Fe, Zn, Cu) に対する見かけの吸収率は, MFC-FO投与群のCuを除いてMFC-糖類混合物投与群よりCPに糖類を添加した群のほうがいずれも高い値を示した。
本報告の要旨は第40回日本栄養・食糧学会 (昭和61年5月, 名古屋市) で発表した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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