1988 年 41 巻 6 号 p. 441-448
コレステロールとコール酸を含む分離大豆タンパク質を唯一のタンパク質源とし, 血漿Chol濃度に対する摂取タンパク質含量やメチオニンならびにその関連物質の添加による影響をDonryu系ラットを用いて検討した。
低分離大豆タンパク質飼料 (タンパク質含量7%) へのコレステロールとコール酸添加で体重は減少し, 血漿Chol濃度は顕著に上昇し高Chol血症を生じた。
飼料中分離大豆タンパク質含量の上昇によって成長は促進され, 血漿と肝臓のコレステロールは有意に低下し血漿HDL-コレステロールは上昇した。
低分離大豆タンパク質飼料へのメチオニン, シスチン, システイン, ホモシスチン添加で体重減少は抑制し, 血漿コレステロール濃度は顕著に低下し高コレステロール血症は改善された。しかし, S-メチル-L-システイン, システイン酸, タウリン添加による体重, 血漿コレステロール濃度の変動はなかった。血漿HDL-コレステロール濃度は, 低分離大豆タンパク質飼料へのメチオニンとスレオニンの組合せ添加で上昇した。