日本栄養・食糧学会誌
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福井県若狭地方の“サバなれずし”の特徴
漬け床およびすしの化学組成の変化と揮発成分の生成
苅谷 泰弘木内 律子三上 尚美土井下 仁美小玉 健吉
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1990 年 43 巻 1 号 p. 43-48

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抄録
若狭の“サバなれずし”は, 他地域で作られるものとは異なり, “へしこ”を原料とするもので, 清酒モロミ様の芳香を有するものである。この“なれずし”製造過程における各種成分の変化を調べて以下の結論を得た。
製品の香気の主成分はエチルアルコールと酢酸エチルであり, 漬け込み床液の表面に増殖する皮膜形成酵母の増殖とともに増加するものである。
“なれずし”の熟成は, 漬け床の還元糖量が減少し, アミノ態窒素の増加, 有機酸量の増加によってもたらされるもので, 魚肉では遊離型アミノ酸, ペプチド型アミノ酸量の増加はもとより, 水溶性タンパク質画分の増加によってなされるものである。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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