日本栄養・食糧学会誌
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キャベツにおけるビタミンの損失率
田所 忠弘和田 政裕山田 和弘飯島 健志馬場 修狩俣 貴清米安 晟前川 昭男
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1993 年 46 巻 2 号 p. 175-178

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抄録
収穫したキャベツ中のビタミンが流通, 保蔵そして調理を経た後の食事直前に至るまでの間にどれだけ損失するのかを一貫して調べた。なお, 収穫後の保存条件や調理条件についてはできる限り現実に即応した条件を設定した。実験の結果, 収穫60時間保存後のビタミンB1, B2, Cならびにカロテン量は, 収穫時のものと比較しビタミンCに約11%の損失が認められたほか, とくに減少は認められなかった。しかし, 8日間保存後ではビタミンB1, B2ならびにCのいずれも減少する傾向にあった。また, 「煮る」調理操作後のビタミン量はいずれも29~59%の損失率を示し, なかでもビタミンB1の損失が最大であった。一方, 妙めた場合, ビタミンCは25%, カロテンは29%の損失が認められたが, ビタミンB1, B2の損失は認められないかまたは軽度であった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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