日本栄養・食糧学会誌
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トウモロコシ外皮より調製した水溶性食物繊維のラット脂質代謝に及ぼす影響
古市 幸生谷口 愛堀部 敦子梅川 逸人高橋 孝雄勝呂 公明今井 照夫
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1994 年 47 巻 1 号 p. 29-34

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抄録
トウモロコシ外皮より調製した水溶性食物繊維のラット脂質代謝に及ぼす影響について, コレステロール添加飼料および無添加飼料のそれぞれについて無繊維飼料, 精製セルロース飼料, 水溶性食物繊維飼料を調製して比較検討し, 以下の結果を得た。
1) 本水溶性食物繊維はヘミセルロースを主体としており, 主な構成糖はアラビノースとキシロースであった。
2) コレステロールの添加の有無にかかわらず, 飼料群間で飼料摂取量ならびに体重増加量に有意差は認められなかった。しかし, 肝臓重量はコレステロール添加飼料で無添加飼料より高く, 添加飼料の中では, 水溶性食物繊維飼料群で有意に低かつた。
3) 血清脂質に関しては, コレステロール無添加および添加飼料の両飼料で, 水溶性食物繊維群では無繊維飼料群およびセルロース飼料群と比較して総コレステロール濃度の上昇抑制効果が認められた。また, HDL-コレステロールおよびトリアシルグリセロール濃度の有意な低下がコレステロール無添加飼料の水溶性繊維飼料群で認められた。リン脂質については, 無コレステロール飼料で有意な低下が認められた。
4) 肝臓脂質については, コレステロール含量について, コレステロール添加飼料の水溶性繊維飼料群で無繊維飼料群およびセルロース飼料群より有意な低下が認められた。総脂質含量については, コレステロール添加飼料で水溶性繊維により低下することが示された。
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