抄録
脂肪分解促進作用を有する物質を検索するため, 培養脂肪細胞である3T3-L1細胞を用いた系にて遊離グリセロール量を指標に植物エキス類を対象にスクリーニングを行った。
1) 約260種をスクリーニングした結果陳皮, 橙皮等の柑橘類果皮に顕著なグリセロール遊離促進作用のあることを認めた。
2) 陳皮添加区についてはグリセロール遊離量, 遊離脂肪酸量の有意な増加, 細胞内残存トリグリセライドの有意な減少を認めた。
3) 陳皮添加培養液による長期培養試験にて細胞内の脂肪滴ならびにトリグリセライドの減少が認められた。
4) α-GPDH活性については差が認められなかった。以上のことから陳皮, 橙皮等の柑橘類果皮は顕著な脂肪分解促進作用を有すると考えられた。