日本栄養・食糧学会誌
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白甘藷糖タンパクの境界型および軽症2型糖尿病者に対する空腹時血糖値改善効果の検討
梶本 修身高橋 丈生糸川 嘉則
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2001 年 54 巻 4 号 p. 213-220

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抄録
白甘藷 (Ipomoea batatas L.) 糖タンパクにおける境界型および軽症2型糖尿病者に対する空腹時血糖値改善効果を検討するため, placebo を対照とした長期摂取試験を実施した。被験品は, 白甘藷の塊根部分を採取したうえで凍結乾燥し, 規定量を摂取しやすいよう加工した白甘藷糖タンパク含有食品 (白甘藷6.24g/day, 白甘藷糖タンパクとして0.826mg/dayを含有) と, 外観および風味を同一にした placebo である。8週間の摂取試験を行った結果, 白甘藷糖タンパク含有食品摂取群では, 空腹時血糖値の有意な下降が認められ (127.0±7.1→116.8±16.3, 単位mg/dL, Wilcoxon test: p<0.05), さらに, placebo 摂取群 (127.0±8.2→131.3±18.3, 単位mg/dL) との間に有意な差を認めた (Mann-Whitney test: p<0.05)。以上より, 白甘藷糖タンパク含有食品が, 境界型および軽症2型糖尿病者に有用である可能性が示された。
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