日本栄養・食糧学会誌
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ワイルドライスの細胞壁多糖の構成
田原 モト子三崎 旭
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2001 年 54 巻 4 号 p. 205-211

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抄録

ワイルドライスの細胞壁を通常の方法により分画し, ペクチン7%, ヘミセルロース71%, セルロース22%を得た。このヘミセルロース含量は米に比しきわめて高く, 一方ペクチン含量は米より低かった。ヘミセルロース (可溶部) をさらにDEAEカラムクロマトグラフィーにより分画し三つの成分, H1, H2, H3を得た。陰イオン交換高速液体クロマトグラフィーによるウロン酸の分離分析およびメチル化分析の結果から, H1は米より分枝程度の低い中性アラビノキシランと推定され, H2は酸性のグルクロノアラビノキシラン, H3はガラクツロナンを主鎖とするペクチン性多糖と推定された。ワイルドライスの独特のテクスチャーは, 細胞壁のヘミセルロース含量が高いこと, 米細胞壁のヘミセルロースに比しアラビノキシランの分枝程度が低いことと, 何らかの関わりがあるかもしれない。ヘミセルロース画分に期待される食物繊維効果の可能性については今後の重要な検討課題である。

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