日本小児アレルギー学会誌
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原著
日本人小児のピーナッツアレルギー診断における精製ピーナッツ抗原特異的好塩基球活性化試験(BAT)の有用性についての検討
楢林 成之目黒 敬章伊藤 靖典徳永 郁香瀬戸 嗣郎橋口 明彦木村 光明
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2014 年 28 巻 2 号 p. 216-225

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抄録
背景:好塩基球活性化試験(BAT)は,比較的新しいIgE抗体依存性アレルギー検査法である.海外ではピーナッツアレルギー(PA)診断における有用性が高いと報告されている.PAの診断においては,精製ピーナッツ抗原Ara h2特異的IgE抗体(Ara h2-IgE)も診断精度が高いと報告されている.目的:日本人小児PA患者におけるBATの診断的有用性について検討し,IgE抗体と比較する.対象と方法:対象は食物負荷試験により確定診断したPA患者24名とピーナッツアレルギーのない非PA対照19名である.ピーナッツ粗抗原(P-粗抗原)および精製ピーナッツ抗原Ara h1とAra h2に対するBAT値とIgE抗体を測定した.診断的有用性はROC(Receiver Operating Characteristic)曲線の曲線下面積(AUC)で評価した.結果:P-粗抗原,Ara h1およびAra h2に対するBAT値のAUCはそれぞれ0.910(p=0.073),0.922(0.046)および0.967(p=0.023)であった.Ara h2-IgEのAUCは0.897(p=0.064)であり,Ara h2-BATとの間に有意な差を認めなかった(p=0.561).結論:日本人小児PA患者の診断において,Ara h2-BATはAra h2-IgEと同程度の診断精度を持つことが示唆された.
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© 2014 日本小児アレルギー学会
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