日本小児アレルギー学会による 「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」 (以下JPGL) の普及, 近年における治療の著しい進歩により小児の気管支喘息 (以下喘息) は軽症例が多数を占めるようになった. しかしながら, 喘息の自然寛解はさほど高率ではなく, 抗炎症薬も永続的な効果は確認されないため, 軽症に対してこそ有効な治療が必要と思われる. JPGL20171) でも従来どおり, 病態生理を理解し重症度を考慮した適切な治療を行い, 患児のQOLを改善させること, 成人まで持ち越させないために, 長期間, 良好なコントロールを維持することを推奨している. 本編ではJPGL2017の第2章 「定義, 病態生理, 診断, 重症度分類」 について, 小児の喘息治療の戦略を踏まえ解説する.