2022 年 36 巻 2 号 p. 127-132
症例は6歳女児.給食摂取の約3時間後に頻回に嘔吐するエピソードが2回あった.2回とも嘔吐と倦怠感のみの症状で,翌日には消失した.摂取したメニューでは,カシューナッツが共通していた.問診上,それ以前のカシューナッツの摂取歴はなく,気管支喘息の加療中であった.また,弟に食物アレルギーの既往があり,両親に花粉症を認めた.カシューナッツのプリックテストと特異的IgE検査はいずれも陰性であった.カシューナッツの経口負荷試験を施行し,摂取2時間後の嘔吐を認めた.以上より,カシューナッツによるfood protein-induced enterocolitis syndrome(FPIES)と診断した.近年カシューナッツはその消費量の増加に伴い,即時型アレルギーの増加が注目されている.しかし,FPIESの報告はまれである.学校給食で提供されることもあり,学童期のアレルギーとして重要である.