小児歯科学雑誌
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原著
小児歯科開業医における障害児(者)歯科診療に関する実態調査
2.連携と今後の課題について
日本小児歯科学会障害児委員会八若 保孝種市 梨紗吉原 俊博鈴木 広幸梶本 祐一郎橋本 敏昭鈴木 康生五十嵐 清治福田 理土屋 友幸
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2010 年 48 巻 1 号 p. 64-72

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抄録

小児歯科開業医における障害児歯科診療に関する実態,とくに各種連携と障害児診療の今後の課題について調査するために,日本小児歯科学会専門医認定医名簿(平成19 年3 月現在)上の1404 名の歯科医師へアンケートを送付し,該当する歯科医師450 名(32.1%)より回答を得た。その結果,小児歯科専門医や認定医の資格を有する小児歯科開業医での障害児歯科診療において,90.0%が紹介先の二次および三次医療機関を有しており,その多くは大学病院であった。しかし,障害者施設との連携がある歯科医はわずか19.1%であり,行政との連携がある歯科医についても24.4%にすぎず,障害者施設ならびに行政との連携はまだ不十分であることが示された。今回のアンケートを通して,小児歯科開業医での障害者歯科診療には,実態にあっていない保険制度,開業医での限界,地域差などの時間,コスト,体力,設備を代表とする多くの問題・課題が存在していることが示唆された。

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© 2010 日本小児歯科学会
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