小児歯科学雑誌
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原著
低身長症と診断された小児における顎顔面頭蓋部および口腔の成長発育に関する研究
高橋 昌司落合 慶行山田 亞由子中本 紀道依田 哲也渡部 茂
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2011 年 49 巻 2 号 p. 172-179

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抄録
低身長症と診断された小児は国内において相当数に達すると考えられるが歯科領域における所見ならびに対応についての報告はほとんど認められない。今回,我々は低身長症と診断された小児の歯科臨床におけるエビデンスの収集,また歯科領域における疾病の治療と予防に寄与することを目的として低身長児の顎顔面頭蓋部および口腔における成長発育学的評価を行った。その結果,以下の結論を得た。1 .歯年齢は暦齢と比較して8 名中4 名において遅延していた。一方,骨年齢は暦齢と比較して8 名全員に遅延が認められた。低身長児において骨年齢は歯齢と比較して,より遅延する傾向が認められた。2 .咬合の型としてはアングルⅡ級が8 名中6 名に認められた。3 .歯冠近遠心幅径は8 名に共通した特徴は認められなかった。歯列弓幅径は上下顎共に小さい傾向が認められた。4 .セファロ分析では顎顔面頭蓋部の距離計測項目において,同性同年齢の標準値と比較すると劣成長傾向が8 名に共通して認められた。これは特に下顎骨の計測項目において顕著であった。
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© 2011 日本小児歯科学会
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