小児歯科学雑誌
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49 巻 , 2 号
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原著
  • 高 真紀子, 茂木 瑞穂, 菊地 恭子, 小野 芳明, 髙木 裕三
    2011 年 49 巻 2 号 p. 155-164
    発行日: 2011/06/25
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
    近年,教育機関でのICT 化が進んでおり,web 教材を活用している教育機関は年々増加している。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野では,2007 年度より歯学部4 年次学生の模型実習における,効率的な学習支援を目的として,web-based e-learning(WebCT)を導入した。本研究では,2007 年度および2008 年度歯学部4 年次学生122 名と,比較対照として2007 年度歯学部附属病院臨床研修医80 名に対して,WebCT の内容や利便性,有効性など11 項目について無記名回答方式でアンケート調査を行い,WebCT 導入に対する評価を行った。歯学部4 年次学生の多くは,「実習で行う全体の流れが理解できた」,「WebCT は実習に有効であった」と回答し,良かった点については,「繰り返し見ることができる」や「事前にイメージできる」など,WebCT の特徴を挙げていた。一方,2007 年度では,歯学部4 年次学生と臨床研修医において,「実習で行う細かい操作の把握ができた」,「予習が短時間かつ十分にできた」などの項目においては,歯学部4 年次学生の評価は臨床研修医の評価より低く,両者との間で有意な差が認められた(χ 2 検定,p<0.01)。小児歯科学模型実習に導入したWebCT は,音声付動画の閲覧・再生により,模型実習における内容や技能に関する理解を深める上で,非常に有用であることが示唆された。
  • 園本 美惠, 森本 容子, 亀井 有太郎, 中野 智子, 嘉藤 幹夫
    2011 年 49 巻 2 号 p. 165-171
    発行日: 2011/06/25
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
    歯の外傷を主訴に小児歯科外来を受診する小児は最近増加していると思われる。今回,歯の外傷を主訴として大阪歯科大学附属病院小児歯科外来を受診した小児について,1978 年~1987 年と1999 年~2008年を比較し,最近の歯の外傷の傾向について考察した。初診患者数は20 年前と比べて減少しているが,歯の外傷を主訴として受診した患者の割合は増加していた。男女比は1.5~1.7 : 1 で大きな変化はなかった。また,年齢分布ではともに1~2 歳および7~8 歳が多かったが,20 年前に比べると低年齢の受診が増加傾向にあった。受傷原因は20 年前より転倒によるものが多く,小児の運動能力の低下がうかがわれた。また,受傷場所は,屋内での受傷が増加し,20 年前に比べて,小児の活動場所が屋内中心になってきているものと考えられた。受傷部位については上顎前歯が圧倒的に多く,年代差はみられなかった。受傷分類では同様の傾向がみられ,乳歯・永久歯とも軽度の位置異常を伴う脱臼が最も多いが,永久歯の方が歯冠破折の割合が多くみられた。来院までの経過時間は1 日以内に受診するものが約半数を占め,20 年前に比べて,早期受診する傾向にあった。これらの結果をふまえ,受傷後の早期受診を促し,受傷しにくい環境の整備を行い,運動能力の向上や受傷防止についての小児への教育などの予防法について考えることが必要であると思われた。
  • 高橋 昌司, 落合 慶行, 山田 亞由子, 中本 紀道, 依田 哲也, 渡部 茂
    2011 年 49 巻 2 号 p. 172-179
    発行日: 2011/06/25
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
    低身長症と診断された小児は国内において相当数に達すると考えられるが歯科領域における所見ならびに対応についての報告はほとんど認められない。今回,我々は低身長症と診断された小児の歯科臨床におけるエビデンスの収集,また歯科領域における疾病の治療と予防に寄与することを目的として低身長児の顎顔面頭蓋部および口腔における成長発育学的評価を行った。その結果,以下の結論を得た。1 .歯年齢は暦齢と比較して8 名中4 名において遅延していた。一方,骨年齢は暦齢と比較して8 名全員に遅延が認められた。低身長児において骨年齢は歯齢と比較して,より遅延する傾向が認められた。2 .咬合の型としてはアングルⅡ級が8 名中6 名に認められた。3 .歯冠近遠心幅径は8 名に共通した特徴は認められなかった。歯列弓幅径は上下顎共に小さい傾向が認められた。4 .セファロ分析では顎顔面頭蓋部の距離計測項目において,同性同年齢の標準値と比較すると劣成長傾向が8 名に共通して認められた。これは特に下顎骨の計測項目において顕著であった。
臨床
  • 小木曽 瑛理, 渥美 信子, 東 公彦, 犬飼 順子, 福田 理
    2011 年 49 巻 2 号 p. 180-186
    発行日: 2011/06/25
    公開日: 2015/03/13
    ジャーナル フリー
    唾石症は,青壮年期に顎下腺導管内に好発し,口腔外科領域において数多くみられる疾患であるが,小児期に発症することは少ないとされている。今回5 歳6 か月男児の形成段階が極めて初期の唾石症を経験したので,その臨床所見,摘出唾石の走査型電子顕微鏡(SEM)所見,エネルギー分散型エックス線分析装置(EDX)による定性分析および電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)によるマッピング分析の結果について報告する。患児は齲蝕治療の目的で当科に通院中であった。自覚症状はなかったが,母親からの訴えにより顎下腺開口部に認められた唾石を発見することができた。摘出は,舌下小丘の小切開による開口部の拡大という,最小限の侵襲によって行うことができ,その後再発は認められない。SEM 所見,定性分析の結果から形成後まもない唾石であることが判明した。小児歯科診療では定期的な口腔管理を行っているが,口腔内診察時には,歯,歯肉,歯列および咬合のみならず,口底,舌,口蓋,頬粘膜等,口腔全体にまで目をむけることが大切である。さらに家庭で,母親が仕上げ磨きを行う際にも歯のみならず,軟組織にまで注意をむけて口腔内を観察するように指導することも必要であると考えられた。
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