近年,教育機関でのICT 化が進んでおり,web 教材を活用している教育機関は年々増加している。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野では,2007 年度より歯学部4 年次学生の模型実習における,効率的な学習支援を目的として,web-based e-learning(WebCT)を導入した。本研究では,2007 年度および2008 年度歯学部4 年次学生122 名と,比較対照として2007 年度歯学部附属病院臨床研修医80 名に対して,WebCT の内容や利便性,有効性など11 項目について無記名回答方式でアンケート調査を行い,WebCT 導入に対する評価を行った。歯学部4 年次学生の多くは,「実習で行う全体の流れが理解できた」,「WebCT は実習に有効であった」と回答し,良かった点については,「繰り返し見ることができる」や「事前にイメージできる」など,WebCT の特徴を挙げていた。一方,2007 年度では,歯学部4 年次学生と臨床研修医において,「実習で行う細かい操作の把握ができた」,「予習が短時間かつ十分にできた」などの項目においては,歯学部4 年次学生の評価は臨床研修医の評価より低く,両者との間で有意な差が認められた(
χ 2 検定,p<0.01)。小児歯科学模型実習に導入したWebCT は,音声付動画の閲覧・再生により,模型実習における内容や技能に関する理解を深める上で,非常に有用であることが示唆された。
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