小児歯科学雑誌
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水硬性カルボキシレートセメノトの乳歯歯髄への影響
経過日数別の病理組織学的検索
堀田 大介松村 祐山田 正弘加藤 正憲黒須 一夫
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1982 年 20 巻 1 号 p. 102-109

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抄録

最近開発された水硬性カルボキシレートセメント(UNIDENT)の乳歯歯髄への影響について幼犬13頭の乳歯48歯を用い,窩洞形成を行ない本セメントを填塞した.3日から4週の各期間飼育し薬殺した.試料は通法に従いセロイジン切片を作製,H・E染色後,検鏡した.経過日数および窩底最薄厚径と病理組織所見との関係について検索し,次の様な結果を得た.
病理成績は,良好30例,概良16例,不良2例であり,不良例は窩底象牙質厚径30μ 以下の菲薄な症例のみであった.経日的には術後2週まで歯髄への障害がみられるが,術後4週では炎症性反応はほとんど認められなかった.露髄例の病理成績は3例中概良1例,不良2例であった.
本セメントの歯髄に対する刺激性は比較的少ないと思われた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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