小児歯科学雑誌
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モアレトポグラフィ法による小児の軟組織顔面の成長に関する横断的研究
盛島 美智子
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1984 年 22 巻 1 号 p. 175-199

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抄録

小児の軟組織顔面の成長について,モアレトポグラフィ法を導入し,3歳から12歳までの男女400名を対象として横断的研究を行った.全体的な成長傾向を把握することを目的として,顔面各部の断面積とモアレ縞パターン(外眼角パターン)について解析し,次の知見を得た.
1.顔面各部の基準面の成長量は,年齢と正の相関関係を示し,男子の成長量は女子より大きい.年間増加率は,男女共に3~4歳で最大の年間増加率を示し,7~9歳での成長は小さい.成長率は上顔面の鼻根面で小さく,中顔面の鼻尖面,鼻下面,上唇面と眼窩矢状面で中等度で,下顔面の下唇面,頭面と正中矢状面では大きい.従って顔面下部は顔面上部より,正中部は正中を難れた部位より大きな成長傾向を示す.
2.外眼角パターンは顔面形態の特徴を表し,放物線型となる.その開きは増齢的に小さくなり,顔面形態は「丸い」形から「長い」形となる.外眼角パターンの最大膨隆二部は,増齢的に鼻下面から上方の頬骨部へ移動する.頭部の成長には性差があり,男子では増齢的に幅径は大きくなり,下顎角部が外側に張り出すが,女子では著明でない.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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