1991 年 29 巻 2 号 p. 389-395
著者らは,Tスキャンシステムのセンサーの再現性と問題点について,第1報で顎模型を用いた基礎的実験を行ったことを報告した.さらに第2報では, 本システムのフォーススナップショットモードにおける, CRT画面上の咬合接触圧の表示が,一定の荷重により反応するものなのかを明らかにした.またこれらの計測値をもとに被検者を用い,筋電図で咬みしめる力を規定し,咬合接触圧を測定した.その結果,
1)センサーにかかる荷重とCRT画面上に表示される圧レベルとの間には,一定の関係が認められた.これらの関係をもとに,咬合接触圧を定量化することが出来た.
2)被検者に用いた場合,咬みしめる力を増すと,接触点数,咬合接触圧定量値が,共に増加することが認められた.さらにシリコン咬合接触検査材をコントロールとした場合,同様の傾向が認められた.
3)DMF歯率の高い被検者では,咬みしめる力を増しても,接触点数,咬合接触圧定量値共に増加率が他の被検者に比べて低かった.