抄録
本研究の目的は,MRIにより開閉口時における下顎頭および関節円板の動態について,新しい定量的評価方法を提示することと,この新しい方法を用いて,正常老と顎関節症患者の下顎頭および関節円板の動態を比較することである。対象者は,正常者7人(N群),復位を伴う関節円板の前方転位を認める患者7人(T1群),復位を伴わない関節円板の前方転位を認める患者8人(T2群)であり,以下の結果が得られた。
1.新しい評価方法により得られた下顎頭および関節円板の動態のXY座標値は再現性が認められた。
2.正常群における水平変化量の大きさは,下顎頭,関節円板最前方点,関節円板最後方点の順に大きかった。
3.下顎頭および関節円板の動態は3群で異なった。