小児歯科学雑誌
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成長に伴う小児の最大開口量の変化
山口 和史周 瑞瑛長谷川 信乃堀川 容子田村 康夫吉田 定宏
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1993 年 31 巻 5 号 p. 911-918

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抄録
小児歯科臨床において,小児の顎口腔系の疾患として,機能的な障害が問題となってきている.そこで各年齢群,性別による小児の正常な顎運動の範囲を把握している必要がある.
今回,著者らは3歳から15歳までの男子1114名,女子1093名の計2207名を対象に,上下顎中切歯切端間距離における最大開口量について調査を行い,以下の結論を得た.
1)最大開口量は,各学年の平均値において男子,女子それぞれ幼稚園年少組の38.4mm,37.4mmから中学校3年生の55.1mm,49.5mmへと,増齢的に増加していた.
2)男子が女子より大きな値を示す傾向を認め,高学年になるに従い有意な性差を認めた.
3)3歳から15歳の間で,最大開口量の増加量は男子が16.7mm,女子で12.1mmであった.
4)最大開口量の最小値の平均値は幼稚園で32.7mm,小学校低学年で33.8mm,高学年で37.5mm,中学校で35.8mmであった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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