北日本病害虫研究会報
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窒素施肥によるイネのいもち病発病度は圃場抵抗性遺伝子に依存する
鬼頭 英樹光永 貴之
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2016 年 2016 巻 67 号 p. 62-70

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抄録

近年,多用途米生産の増加に伴い多肥栽培が拡大し,多肥条件における省力的いもち病抑制技術が課題となっている.多肥条件における圃場抵抗性遺伝子の効果を明らかにするため,「コシヒカリ」および圃場抵抗性遺伝子が導入されたその準同質遺伝子系統を用い,窒素施肥がいもち病発病および病斑型に及ぼす影響を調査した.追肥が発病に及ぼす影響を調べた圃場試験では,葉いもち穂いもちとも,追肥で有意に発病度が増加し,追肥と品種の間に交互作用が認められた.追肥が各品種の病斑型の進展に及ぼす影響を調べたプラグトレイ試験では,接種5 日後の断面調査で,「コシヒカリ」および「Pi35-NIL」の病斑型は,白斑および浸潤型の感染型から,止まり型の感染型へ推移する確率が減少したが,その他の系統では追肥による影響は認められなかった.以上から追肥の影響を大きく受ける圃場抵抗性遺伝子と,受けにくい遺伝子が存在することが明らかになった.

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© 2016 北日本病害虫研究会
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