抄録
著者らは,検体郵送法によるカリオスタット試験における培養時間や郵送条件について検討し,その有効性について第1報で報告した.本報では,試料の採取時期について検討したので報告する.
対象は,岡山県下の某保育園児(0~5歳の計176人)で,春,夏,秋,冬の年4回のカリオスタット検査を全て受けた64人である.方法は,毎回の検査時に各被検児に対して,通法に従って1本の綿棒で上顎臼歯部頬側よりプラークを採取し(通法群),カリオスタット試験液に投入した.次に,2本の綿棒で同様にプラークを均等に採取した後,それぞれの綿棒が乾燥しないように別々のビニールの小袋に密封した.最初の試料は通法に従い,37℃ で72時間まで培養し,48時間後,72時問後にカリオスタット値の判定およびpH測定を行った.小袋に密封した綿棒は,1つは常温(常温郵送群)で,他方は低温(低温郵送群)で,当科宛てに郵送した.当科に到着後直ちに,綿棒を試験液に投入し,通法群と同様に培養,結果判定を行った.
その結果,すべての季節において通法群と低温郵送群および常温郵送群との問には相関関係が認められたが,気温が上昇する夏場においては低温郵送群が常温郵送群に比較して通法群と統計的に高い相関係数が得られることが示唆された.