小児歯科学雑誌
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乳歯列期小児における下顎側方偏位と咀嚼筋活動の関連性に関する研究
伊藤 みや子中島 一郎駱 嘉鴻坂部 潤小野寺 妃枝子
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2002 年 40 巻 4 号 p. 732-738

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抄録
小児の下顎側方偏位を評価する機能学的意義を明らかにするため,乳歯列期小児9名を対象に,下顎側方偏位側とその対側間における咀嚼筋活動の相違について咀嚼筋筋電図記録により比較検討を行った。被験者の正面頭部エックス線規格写真により上顔面の基準平面に対する下顎オトガイ部の移動側を判定し,下顎側方偏位側(以下,下顎偏位とする)とした。規定動作として最大かみしめ(以下,クレンチングとする),タッピング(以下,タッピングとする)および下顎偏位側と対側別にチューイングガム咀嚼(以下,ガム咀嚼とする)を行わせた。
クレンチングでの偏位側と対側の咀嚼筋活動の非対称性はAsymmetry Index(A.I.)を用いて評価した。その結果,側頭筋では偏位側優位を,咬筋では対側優位な傾向を示した。また,偏位側の咬筋筋活動量はガム咀嚼の方がタッピングよりも有意に増加し,同側の側頭筋は有意な差は認められなかった。一方,対側では側頭筋または咬筋ともにガム咀嚼の方がタッピングよりも有意に増加した。これらの結果から,クレンチングでは偏位側側頭筋の筋活動は対側より優位であったにも関わらず,タッピングと比較したガム咀嚼の筋活動量の有意な増加はみられなかった。その原因として口腔感覚のフィードバック機構に下顎偏位が影響していたことが考えられる。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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